青木 美和

Aoki Miwa

旅という非日常の中で見つける「日常の美しさ」

  • 生い立ちやアーティストとしての活動歴などを教えてください。
  • 大田区の大森で生まれました。幼稚園の隣に子供の絵画教室があり、親に頼んで入会し、出会ったのが洋画家の日高政広先生です。これ以後は描くことが自分にとって何よりの愉しみとなりました。大学卒業後、水彩の矢田茂氏に出会い、それからは水彩で発表しています。個展、講座、技法書出版をライフワークとしつつ、表紙などのイラストレーションを担当したり、テレビや映画の水彩関係の仕事をしています。
  • 新しい作品を生み出す時は、どの様なきっかけで制作を始めることが多いですか?
  • 旅です。旅という非日常の中で見つける「日常の美しさ」が好きです。
  • 作品を制作する前に準備する事や、何か決まったルーティーンなどはありますか?
  • 制作するときは、ジャズやブラジル音楽をかけます。新主流派やボサノヴァ・MPBなどが多いです。
  • 作品を制作する場所はどの様なところですか?
  • 基本的に自宅アトリエで制作します。モチーフの花を庭から摘み取って足したり、光の変化を待ったりしながら描きます。講座で必ずデモンストレーションを致しますので、生徒さんとともに課題を描きます。生徒さんとともに北海道や京都、奄美大島などに旅行したり、フランスやイタリア、英国など海外でスケッチすることもあります。
  • 作品を制作する際に、どの様なところに気をつけていますか?また最も気を配ったり、苦労する点があれば教えてください。
  • 大切にしているのは透明感です。自分にとって余計なタッチが入っていないかを意識し、必要最低限の重なりを目指して描きます。
  • 作品が完成した、と思える瞬間はどの様な時ですか?
  • なるべく必要最低限の筆数をめざして、説明的で余計な描写が無いように描き進めていきますが、主題がはっきり見えて来て、画面に空気が流れたなと思う時に筆を止めるように気を付けています。
  • あなたにとって作品/アートとは何ですか?
  • 唯一無二であるもの。欠点だらけでも、自分にしかできない表現が織り込まれているものを目指しています。自分が発見した小さな幸せを、共感してくれる人を探すために、発表していきたいと思います。
  • 透明水彩という画材の、一番の魅力はどの様なところにあると感じていますか?
  • 全てをコントロールできないところや、瞬間をつかむ臨場感です。
  • 具象と抽象を描く際の着眼点はどの様なところですか?
  • 描き始めるための始点は同じで、何らかの感動がきっかけとなります。どこまで具体性を相手に伝えたいかで表現が変わります。
  • 「青木美和の色を楽しむ透明水彩」でのレッスンの流れを教えてください。
  • 文字プリントを使用して、その日の題材の要点を説明し、生徒さんに線描きをスタートしていただきます。線描きが終わるころに講師がデモンストレーションを行い、それを参考にしつつ、各自の好きなアプローチで彩色をスタート。講座の終わりころに前回の講座の完成作を講評します。月二回のうち一回はモチーフ、一回は講師撮影の風景写真を題材とします。