小谷野 直己

Koyano Naomi

完璧を求めるが、完璧を求めない

  • 生い立ちやアーティストとしての活動歴などを教えてください。
  • 祖父が日本画を描いていた影響で、幼少期から日本画の画材に触れて育ちました。藝大日本画科に入学後は、イタリア絵画に魅せられ時代を越えて魅了し続ける絵画の美しさをきっかけに、日本画の顔料や紙の研究で各地を訪ねました。卒業後は全国の百貨店での個展や企画展に恵まれ、2000年頃から琳派の様式美で現代の琳派作品にしたいと強く思い現在に至ります。

    [近年の活動履歴]
    2016年 日経アート作品カタログ刊行「今 新たな琳派でよみがえる小谷野直己の世界」
    2017年 日中国公正常化45周年記念巡回展
    2018・19年 日本ユネスコ協会連盟平和への祈り
    2021年 日経アート作品カタログ刊行「令和を飾る現代の琳派絵師小谷野直己の世界」
    2022年 日経「懇話会 」表紙絵(春夏秋冬号)
  • 新しい作品を生み出す時は、どの様なきっかけで制作を始めることが多いですか?
  • 新しい作品のイメージが湧いてくるのは、その時描いている作品が8割ほど仕上がって来た頃、早朝の半覚醒状態の時に画像として浮かぶことが多いです。起きた後、忘れないようにメモ書きをします。
  • 作品を制作する前に準備する事や、何か決まったルーティーンなどはありますか?
  • 珈琲をいれる事から始まり、アトリエに入ってその時の気分に合う音楽をかけながら仕事を始めます。
  • 作品を制作する場所はどの様なところですか?
  • アトリエです。作品制作以外にも少人数のワークショップ「箔押し・日本画技法など」を開催しています。
  • 作品を制作する際に、どの様なところに気をつけていますか?また最も気を配ったり、苦労する点があれば教えてください。
  • 「完璧を求めるが、完璧を求めない。」という点です。
  • 作新しい作品を制作しよう、と思う時はどの様な時でしょうか
  • 不思議ですけれども、早朝の半覚醒状態の時です。
  • あなたにとって作品/アートとは何ですか?
  • 3つのポイントをあげてみます。
    ・喜びや癒しを与えられるもの。
    ・新たな自分との出会いを与えてくれるもの。
    ・コミュニケーション。
  • 日本画と西洋画の一番の違いはどの様なところでしょうか?またどの様なところに日本画の魅力を感じていますか?
  • 難しい質問ですね。歴史的に検証すると「光と空間」だと考えています。しかし「日本画」は複雑な文脈と多義性を持ち合わせていますので、一概に結論付けるのは難しいです。日本画の精神性の深さや新時代に対しての可能性に魅力を感じています。
  • 色彩の組み合わせで、意識している事はありますか?
  • 自分の色彩感覚です。
  • これから日本画を始めようという人に一言お願いします。
  • 日本画は技術の難しさなどで敷居の高いイメージがある様に感じますが、技術は丁寧にお教えします。枚数を重ねるごとに上達されることに驚かれると思います。