織作 峰子

Orisaku Mineko

大切なのは、1枚の作品にどれだけドラマが含まれているか

  • 生い立ちやアーティストとしての活動歴などを教えてください。
  • 1981年度ミスユニバース日本代表に選ばれ、任期中に写真家・大竹省二と出会い、翌’82年に大竹スタジオに入門。’86年全国二科展入選。’87年独立。’89年から2年間、米国ボストンに暮らし、その経験から作品集「BOSTON in the time」を発表。自然豊かな中山間地帯で生まれ育ち、幼い頃から雪の世界を見てきたことで「DIMENSIONS」が生まれました。日本全国や世界各地で写真展を多数開催する傍ら、テレビ出演や講演で幅広く活動しています。現在は、石川県の伝統工芸である金箔やプラチナ箔にプリントをする手法「箔フォトグラフィ」作品を制作中。来年9月には金沢21世紀美術館にて、展覧会開催を予定しています。大阪芸術大学教授、写真学科学科長。
  • 新しい作品を生み出す時は、どの様なきっかけで制作を始めることが多いですか?
  • 人と話をしている時に、一番アイデアが浮かびます。
  • 作品を制作する場所はどの様なところですか?
  • テーマによって国内外の様々な場所に出向きます。
  • 作品を制作する際に、どの様なところに気をつけていますか?また最も気を配ったり、苦労する点があれば教えてください。
  • 新しい技法やアイデアで、オリジナリティを考えることに最も気を配ります。私にとって写真とは宿題のようなもの。ちゃんとできたときの爽快感は何ものにも代えがたいのです。それと見た人に感動を与え、手元に置いておきたいと言われれば生きがいにもなります。でもまだ自分が納得するところまでは到達していません。これからも、産みの苦しみを味わい、終わりのない挑戦が続くことになります。
  • 作品が完成した、と思える瞬間はどの様な時ですか?
  • 写真で一番大事なのは、物語性です。どれだけその1枚の作品にドラマが含まれているかが大切です。人に伝えたい気持ちや、写真を見た方が同じ気持ちになれるかどうか、人の目と足と心をどれだけ止められるか、というところがキーワードだと思います。
  • あなたにとって作品/アートとは何ですか?
  • 人の心を癒したり、感動を与えられるもの、そして過去の知覚を呼び戻すものです。
  • 風景を写真として切り抜く時に、一番気にかけている点はどのような点でしょうか?
  • 感覚のままに撮るので、特に気にかけていることはないのと、注意し過ぎてつまらない作品にならないように心掛けています。心のままにシャッターを押すことが大事です。
  • 撮影場所は、どんな理由で決定することが多いですか?
  • テーマによって決めますが、コロナ以降は自身に関わりのある日本をテーマにしています。石川県には七尾市出身の長谷川等伯という有名な画家がいます。等伯の『松林図屏風』のような、霧の世界に共鳴するのです。外国に行った時、霧の出た瞬間、“写欲”がわくというのか、思わずシャッターを切ります。
  • コミュニティクラブたまがわで教えているサークル「織作峰子の写真教室」では、どのようなことが学べますか?初心者でも大丈夫でしょうか?
  • 初心者でも大丈夫です。共に撮影をしながら、石ころを見つけ宝石に変える感性を磨きます。写真を撮ることから編集、展示までを考える楽しい教室です。