右近 としこ

Ukon Toshiko

心を表現し、見る人と対話するものです

  • 生い立ちやアーティストとしての活動歴などを教えてください。
  • 私が水彩画を始めたのは、夫のアメリカ転勤で2回目のオレゴン滞在の時。それまでも油彩は勉強していましたが、今思い出すとアメリカでの水彩との出会いは運命的な気さえします。すっかりのめり込み、ポートランドコミュニティカレッジで水彩、デッサンを学びました。その4年後ニューヨークに移る機会を得て、敬愛する先生が教鞭するシルバーマインスクールアートに3年間在籍しました。そして帰国。その1年後にアトリエをオレゴンに移し、主にオレゴンを題材に描いていました。その間、ヨーロッパ等外国にスケッチに出かけるようになり現在に至っています。日本ではワークショップや個展などを開催、世界中で有名な水彩画のワークショップに参加するためいろいろな国に出かけて勉強を続けました。またアメリカのいろいろな水彩公募展に応募し、AMERICAN WATERCOLOR SOCIETY正会員、NATIONAL WATERCOLOR SOCIETY正会員、CALIFORNIA WATERCOLOR ASSOCIATION正会員として活動しています。
  • 新しい作品を生み出す時は、どの様なきっかけで制作を始めることが多いですか?
  • きっかけが特にあるわけではなく、いつも描きたいと思っています。あえていうなら描きたいと思ったその時がきっかけといえます。
  • 作品を制作する前に準備する事や、何か決まったルーティーンなどはありますか?
  • 描くときは必ず身支度を整えます。特におしゃれはしませんが、描こうとしている作品に失礼のないよう心と体を整えます。
  • 作品を制作する場所はどの様なところですか?
  • スケッチに出た時は始めから8号ぐらいに描き、1時間半で凡そ7割を描きます。残りはホテルやアトリエに戻ってから描きあげますが、その時は写真を使いません。自分の記憶や感性を大事にします。写真から描くときはアトリエです。またデモンストレーションなども外で描く時と写真から描く時がありますが、7割までとしています。
  • 作品を制作する際に、どの様なところに気をつけていますか?また最も気を配ったり、苦労する点があれば教えてください。
  • 描きすぎないことが大事だと思います。Lost and found、直訳では有線、無線となりますが、私は最もこの事に気を付けます。 また写真から描く時は時間がたくさんあるので、臨場感が失われやすくなります。たとえ写真からでも、7割までは一気に描きあげます。そうすれば描き過ぎる事はなくなります。その後、写真は参考程度。必要と思われる所だけを描きたして仕上げます。
  • 作品が完成した、と思える瞬間はどの様な時ですか?
  • 完成したかどうかは5Cという物差しを使っております。5Cとは5つの英単語のイニシャルです。contrast,color,concept,composition,consideration。作品にこれらが含まれていたら、筆を置きます。
  • あなたにとって作品/アートとは何ですか?
  • 心を表現し、見る人と対話するものです。
  • アメリカで強く惹かれた点は(風景、人、文化など)どのようなところでしょうか?
  • 私が知っているアメリカはほんの一部の人達であって、文化や人間について述べる程の知識はありませんが、好きか嫌いで言うと、風景、人、文化、は好きと言えます。アメリカで不愉快を感じたことが少ないからでしょう。
  • モチーフを描く際は、どこから描き始めますか?
  • 風景は遠くから、静物は一番明かるい処から色を付けていき段々色を重ねていきます。
  • 「右近としこの透明水彩画教室」では、どのようなことが教われますか?初心者でも大丈夫でしょうか?
  • 初心者でも勉強したい気持ちと、描くことが好きであればだいじょうぶです。 “線ではなく面で捉える事をよし”としてご指導します。線の中を塗るのではなく空間を描く事を最も大切にしています。